前号にて触れた962選択であるが、当然のことながら、GILTI対象の個人納税者も選択可能である。前号で紹介したTaxpayerも、962選択により、GILTI 控除が利用できるに加え(しかし、CFCが殆ど外国税を支払っていなかった為、間接外国税額控除利用には及ばなかった)、21%の割でGILTI Taxが計算できた。限界税率が35%のTaxpayerであった為、21%で計算できた効果は大きい。962選択は、高配当のCFC株式を長期間所有する者にはお勧めしない。962選択が功を奏するか、顧問税理士に、当該CFCについての今後の計画を相談頂きたい。CFC税制絡みの申告は、今でも手がかかる作業が多い、還付請求権が消滅する前に、余裕をもって事を運ぶべきだ。
筆者の紹介 ― 河村好司(kawamura@reiwa-us.com)。Reiwa Accounting にて移転価格やクロスボーダー事業、取引に関する税務コンサルティングを行う。税務調査、不服申し立て立ち合いの経験も豊富。今後も、実務にて得た経験をベースに寄稿予定。